顧客対応

顧客対応で「成長する企業」になれる理由

成長する企業に共通の特徴が、「当たり前のことを当たり前に
やる」と述べました。
その企業の社員の皆さんは、

  • 笑顔で元気があり
  • 上司と議論と言うコミュニケ―ションがスムーズな一方
  • 達成意欲は強く
  • 失敗に拘らない
    と述べました。
    社員満足度も高い様です。

では、どうすれば良いのか考えて行きます。

基本的な価値観の変更が絶対条件となります。
シリーズで成長する企業の職場作りについて説明していますが
、今回からその方法の3つである顧客対応社員の動機付け
社員の行動力向上について、説明して行きます。これらは、ビジ
ネスでは良く使われる言葉です。

顧客対応で価値観変更を実行する

価値観とは、風土、事業の方向性、顧客対応、先行投資、社員
の日々の活動手法、コンプライアンス、人事考課、品質、サー
ビス等あらゆるビジネスで目標、判断、行動の基準になるもの
です。

私が思うに、変更する必要性を繰り返し社内に徹底する事も重
要ですが、具体的な日常のビジネス行動を違う考えで実践し、
それを皆で応援するのが一番と思います。

これが、コンサルティングの私のやり方です。

何故、顧客対応なのでしょうか。

経験から自分で信念を持って言える「ビジネスの2つの事実」
があるからです。

  1. 我々のビジネスは、顧客が評価する。
  2. 多くの社員が動いた時に、会社は変わる。
    の2つです。

この2つを使って価値観変更を実行するのが良いと考えてい
ます。
IT技術の発展は目覚ましく、マネジメントもそのITを使い、
日常業務はスピードが上がっています。
しかし、ビジネスのコアの部分は変わってないと思います。

顧客対応は外に向かって活動することがメインになります。
「顧客は、マーケットは何を考えているか」の研究の代表は、
マーケティング理論です。

マーケティングは死んだか

「マーケティング」と言う言葉は、随分古くからビジネスでは
使われて来ました。
この言葉の定義は1935年にAMAの前身によって定められまし
たが、以後、約80年間に5回提示され現在に至っています。

途中、1993年のマルボロフライデーでマーケティングは死ん
だと言われながら、現在でも企業活動の基礎を支えている大事
な活動の一つです。しかし、私が思うには、実際のところ顧客
対応でやる事は、この20年位は変わっていません。

コンサルティングをしていて、変わらないなと一人で苦笑する
場面が何回もあります。

そこで、この2つを使って価値観を変えて今までと違う行動
様式を実践し、成長する企業へと変わって行きたいのです。

当たり前の事を当たり前にやろうとする職場作りの為に、今回、
先ず、「ビジネスは顧客が評価する」への対応として顧客
対応です。

顧客対応で成長する企業になる

成長する企業の為の顧客対応とは、次の様に考えています。

  1. サービスの提供(特に納入後)
  2. ニーズへの対応
  3. 品質の信頼獲得

この3つは、目新しいものではなく、ビジネスでは良く耳にし
ます。しかし、この3つを徹底してやると今迄とは全く違う行
動となります。
この3つは、納入側のトップを含む全部の層の社員に求められ
ます。一番多く顧客に接している営業担当者だけに求められ
ると考えている企業なら、変革は100%不可能です。

顧客対応で気付く問題点

  1. 顧客対応を考えると、誰でも「当たり前のこと」と思うこと
    ばかりです。
    内容は100mを9秒で走ると言うものでありません。
    如何に、今迄の自分達の発想と行動が、ビジネスをより発展さ
    せる為にはブレーキになっていたかが分かります。この違いを
    痛感出来ることが最大の目的です。

  2. 今迄、「会社の利益の為に」「それは顧客の無理な要求だ」
    と言った自分勝手? 会社勝手?な考えと行動は全く通用しな
    くなるばかりか、それらを捨てねばなりません。
    従って、徹底して顧客対応に取り組んで行けば、自然に「当た
    り前の事を・・・」となります。

IBMはサービス会社です

特に、サービスの提供は、抵抗がある様に見受けられます。
受注までは顧客対応に力が入るが、受注後は「受注増だけが
最大の関心事」となります。
次の受注を目指すなら、今の受注での対応が顧客の判断根拠
になると誰でも分かると思うのですが・・・。

かって、米IBMは米国中に「IBMはサービス会社です」と言う
広告塔をたてました。この広告塔は、顧客へのアピールと言う
より、寧ろ、社員へのアピールと受け取るべきでしょう。
この様な企業全体の意思表示へ踏み出さないと価値観の変更は
難しいでしょう。

そして、この新しい価値観は各社員へプロ意識を醸造させて行き
ます。
会社全体のサービス提供のマニュアルに加え、各社員のプロ意識
が一層の付加価値を上げたビジネスを展開するようになります。

では、次に、顧客対応を進める上で、必要な内外環境について
説明します。

顧客対応の外部環境

  1. 顧客を良く知る必要があります
    • 顧客の経営方針、行動指針
    • どの事業の、どの商品の、どの機能を戦略商品としているか
    • ライバルはどの会社で、その商品の型名は何か、その商品と
      の差別化機能は何か
    • 我々の商品のどの機能を購入していて、サービス、品質の
      評価はどうか等など

  2. 顧客に我々を良く知ってもらう必要もあります
    • 我々が顧客の考えを良く学び承知していて、それを商品に
      取り入れる努力をしている。
    • 顧客の商品戦略に役立つ機能を持った商品を開発努力して
      いる
    • 我々が高いサービスと品質を提供し、信頼を得ることが最
      大の目的と言い切っても良いと思っている。
    • その結果、長い眼で見る取引を望む様になる。

顧客対応の内部環境

  1. 全ヒエラルキー、全部署が対応すること。
    顧客と直接コンタクトしている営業マンだけがいくら奮闘して
    も、顧客への対応は変わらない。
    顧客対応とは、社長から始まる総べての職制において必要。

  2. 一方、営業の力だけが突出して強い、又は、弱いことはあり
    得ない。
    営業の力と、工場又は事業部の力は同じレベルに落ち着いて
    いる。更に言えば、営業の意識レベルと本社の管理部門の意識
    レベルも、又、同じ。
    営業以外は、顧客に合う必要はないと思っている人が多い。

次の様な声を聞いたことありませんか。

  • 受注は営業の責任
  • 顧客クレームは営業マタ―
  • 顧客クレームを如何に潰すかが、営業力
  • 優秀な営業ほど工場に問題を持ち込まない
  • 私は間接部門なので、顧客のことは分からない。

こういう会社は、顧客が「お見通し」だってことを知らないの
です。

顧客対応以外のメリット

  • 競合会社の情報入手
  • 顧客の方針
  • 目先の利益に捉われない長い目で見る戦略が可能

もっともっとあります。
皆さん、考えてみて下さい。

次は、成長する企業になる為の成長する企業/社員の動機付けです。