間接費配賦

間接費配賦の効用

特定品種の受払が多くて儲かっていると思っていても、実際、
最終利益が思った程に多くない場合が良くあります。

  • 多くの営業マンが投入され、営業人件費を差し引くと利益は?
  • 本社の会計で決算に多くの手間がかかっている商品はないか?
  • 販促費、交際費が多く出費されているが、効果は?

本社の共通部門の人も会社から給料をもらっているので、どれか
の商品の為に仕事をしているか、全社的な活動をしているかどち
らかです。
そこで、本社の間接部門の人の人件費、他の経費も区分別に適切
に配賦させる必要があります。

しっかり、商品別に配賦しましょう

決算費目名 具体的な費用名 配賦基準
共通一般管 社長以下の全経費    その他の経費 実際の人工数
営業一般管 営業部門全員の人件費  営業部門の全経費
工場間接費 工場の間接部門の費用
事業部一般管 事業部の工場以外の経費
  1. 各商品の本当の最終利益が分かります
    1. 受払と最終の利益=営業利益とは、別モノです。
      売上利益が大きかったり、売上利益率が高いからこの
      商品は儲かっていると決めつけるのは早計です。
    2. 売上利益、売上利益率は分かり易く、間接費用が
      どれ程発生しているかは分かりにくいからです。

  2. 事業別、工場別に応用できます。
    1. 商品別だけではなく、事業別や工場別での最終
      損益の把握には、本社の間接費を配賦する必要があり
      ます。

  3. 不要な経費発生、効率的な投資がわかります
    1. 適切な配賦で、不要な配賦、不足の配賦が分かり、
      資源配分が適切にされる様になります。

間接費配賦の実際

これが正しい間接費配賦のルールと言うのはありません。次は、
私がお薦めしている方法です。
基本的には、直課出来るモノ以外は配賦基準に基づいて配賦すべ
きと考えています。

人工数比率による算出

実際にどれだけ手間がかかっているかを比率で表現して、共通の
間接費を配賦します。

  • 年度予算作成時、、日々の活動を区分する基準に合わせてその比
    率を計算する。比率は、時間比率、又は、費用額比率。
    通常は、1回/年で良いでしょう。
  • 一番の経費は人件費です。ここでは、社長以下、全員の
    人件費ををどうするか決める必要があります。
  • 又、人件費以外の経費も勿論、配賦します。
    パソコンの場合は、どの部署にあるか管理し、その経費を
    当該部署の他経費と共に配賦します。

開発品や新規事業への配賦

  • これらは、往々にして赤字の場合が多いです。しかし、
    これらは健全な赤字とも呼ぶべきもので、分かり易く区分
    して間接費を配賦しましょう。
  • そして、実際の赤字額を把握することが必要です。
    得てして、配賦をすくなくして最終赤字を少なくしておくと、
    突然に実態を調べる事になり、その赤字の大きさに唖然と
    する事になります。

新規事業

  • 新規事業に対しても、間接費の配賦は必要です。
    新規投資事業は、健全な赤字としてみるべきで、大事な事は
    その赤字額を絶えず把握し、努力の成果を数字で掴む事です。
  • 決して他の商品と一緒にして赤字額を曖昧にしない事です。
    固定費を他の商品や事業に散ばせて、赤字が目立たぬ様にする
    会社もありますが、このやり方は、あまり進められません。
  • 気が付かない内に赤字が大きくなっていても、他の既存事業
    の拡大で目立たない事は良くあります。
    しかし、その実態がある日露呈し、大きい赤字額が問題になり、
    突然、新規事業中止となる可能性もあります。

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