物流センターの業務委託

物流センターの業務委託の考え方

物流センター運営は、倉庫を持っていなくても運営できます。
荷主さんからの構内作業の委託業務を受け、それを、業者さんへ
再委託すれば良いのです。

その際に注意しなければならないポイントは2つあります。

  1. 保管業務は、当倉庫を営業倉庫として申請者のみが運営、
    受注できます。

    1. 非申請者は代行業務となります。
      詳しくは、営業倉庫の注意点をご覧ください。

  2. 業務委託は、注意点を守らないと偽装請負とみなされる
    可能性があります。

    1. 初めに物流センターに限ることなく、業務委託共通の考え方
      を確認しておきましょう。
      一番に注意しなくてはいけないのは、偽装請負とならないことです。
    2. 業務委託は、請負と違い仕事の完成を請け負う(例:ビルを
      建築する)業務ではありません。
    3. 業務を行う事を受注し、自分達で責任を持ち、自分達の判断
      で仕事を行うのが 業務委託です。

物流センターの業務委託は責任を持つことから

自分達で責任を持つ必要から、業務委託も現場での労働者が派遣
の状態になっているか否かが、厳しく問われます。
「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する
基準」(一般的に「区分基準」)が適用され、その是非が判断さ
れます。
「区分基準」を守らないと「労働者派遣」を行っていると見なされ、「偽装請負」と指摘され活動が中止されてしまいます。

日常活動の基本

お客様から業務委託を受けた企業が、責任を持って労働者を指揮
して業務を遂行するのが基本です。
この基本を忘れなければ、変な事にはなりませんが、代表例を書
き出しました。
日常的に労働者がどの様に労働しているかが問われるので、かな
り具体的で細かいところに注意が必要です。

物流センターの業務委託の注意点(区分基準)

下記の項目は、委託業務を受けた企業が日常的に判断し管理し
遂行することが必要です。

  1. 日常の代表例です
    1. 必要人数、労働者の配置
    2. 労働者への作業服貸与
    3. 労働者の成績管理
    4. 時間外労働の必要性

  2. 自分達で業務をせず、業者さんへ再委託する場合は、その
    業者さんが上記を責任持って判断し管理し業務を遂行しな
    ければいけません。
    詳しくは、下記のアドレスで確認願います。http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/tekisei.pdf
    「労働者派遣・請負を適正に行う為のガイド」にあるチェック
    リストをお読み下さい。
    大変分かり易いです。

  3. 見積もり契約は、個建て
    1. 基本的に、個建てが望ましいです。
    2. 絶対にダメな契約は、人数相当の人件費です。

  4. 今月は、10人が22日なので・・・これは、完全に偽装
    請負と見なされます。

    1. 何人でやるかは、受託側の勝手だが、見積もり通り
      しか支払はもらえません。
    2. 極端な事を言えば、同じ注文数量を受けた場合、
      それを10人でやろうが、30人でやろうが、請求額は、
      当初に決めた見積もり通りです。
    3. 今月は、新人が多く30人でやったので、
      30人の人件費を請求しないと・・・等は、その
      業務を任せられていない事になりますし、労働者を
      お客様に預けて好きに使って下さいと言う、典型的な
      「偽装請負」になります。

物流センタ―の業務委託の品質とは

業務委託の品質は請負と違うので、分かりにくい場合が多いです。
例えば、日々、処理して行く業務がミスなく出来ている事、決め
られた量をきちんと遂行出来ている事等は委託上の責任です。

では、業務委託の品質とは何かを考えてみましょう。
勿論、ミスが無い事、処理が丁寧である事は品質と直ぐに考えま
すが、私は、機械処理でなく人の作業で行う業務委託の場合は、
その人達、つまり我々の作業態度も含まれると思います。

代表例です

  • 作業服のボタンをキチンとかけていない
  • 作業中の私語が多い
  • 遅刻が多い
  • ポケットに手を入れながら作業している
  • 朝礼を真面目に聞いていない
  • 一旦停止線を守らない
  • 荷扱いが乱暴
  • フォークリフトが作業者の間を縫って走る
  • 5Sが出来ない

かなり広い範囲が品質になります。
これらは、事故のリスク、能率ダウンのリスク、管理の放棄批判
のリスクを持っています。
くれぐれも、自分達がどうふるまっているかも管理して下さい。

次は、営業倉庫の注意点です。