物流センターの業務委託の考え方
物流センター運営は、倉庫を持っていなくても運営できます。
荷主さんからの構内作業の委託業務を受け、それを、業者さんへ
再委託すれば良いのです。
その際に注意しなければならないポイントは2つあります。
- 保管業務は、当倉庫を営業倉庫として申請者のみが運営、
受注できます。- 非申請者は代行業務となります。
詳しくは、営業倉庫の注意点をご覧ください。
- 非申請者は代行業務となります。
- 業務委託は、注意点を守らないと偽装請負とみなされる
可能性があります。- 初めに物流センターに限ることなく、業務委託共通の考え方
を確認しておきましょう。
一番に注意しなくてはいけないのは、偽装請負とならないことです。 - 業務委託は、請負と違い仕事の完成を請け負う(例:ビルを
建築する)業務ではありません。 - 業務を行う事を受注し、自分達で責任を持ち、自分達の判断
で仕事を行うのが 業務委託です。
- 初めに物流センターに限ることなく、業務委託共通の考え方
物流センターの業務委託は責任を持つことから
自分達で責任を持つ必要から、業務委託も現場での労働者が派遣
の状態になっているか否かが、厳しく問われます。
「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する
基準」(一般的に「区分基準」)が適用され、その是非が判断さ
れます。
「区分基準」を守らないと「労働者派遣」を行っていると見なされ、「偽装請負」と指摘され活動が中止されてしまいます。
日常活動の基本
お客様から業務委託を受けた企業が、責任を持って労働者を指揮
して業務を遂行するのが基本です。
この基本を忘れなければ、変な事にはなりませんが、代表例を書
き出しました。
日常的に労働者がどの様に労働しているかが問われるので、かな
り具体的で細かいところに注意が必要です。
物流センターの業務委託の注意点(区分基準)
下記の項目は、委託業務を受けた企業が日常的に判断し管理し
遂行することが必要です。
- 日常の代表例です
- 必要人数、労働者の配置
- 労働者への作業服貸与
- 労働者の成績管理
- 時間外労働の必要性
- 自分達で業務をせず、業者さんへ再委託する場合は、その
業者さんが上記を責任持って判断し管理し業務を遂行しな
ければいけません。
詳しくは、下記のアドレスで確認願います。http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/tekisei.pdf
「労働者派遣・請負を適正に行う為のガイド」にあるチェック
リストをお読み下さい。
大変分かり易いです。
- 見積もり契約は、個建て
- 基本的に、個建てが望ましいです。
- 絶対にダメな契約は、人数相当の人件費です。
- 今月は、10人が22日なので・・・これは、完全に偽装
請負と見なされます。- 何人でやるかは、受託側の勝手だが、見積もり通り
しか支払はもらえません。 - 極端な事を言えば、同じ注文数量を受けた場合、
それを10人でやろうが、30人でやろうが、請求額は、
当初に決めた見積もり通りです。 - 今月は、新人が多く30人でやったので、
30人の人件費を請求しないと・・・等は、その
業務を任せられていない事になりますし、労働者を
お客様に預けて好きに使って下さいと言う、典型的な
「偽装請負」になります。
- 何人でやるかは、受託側の勝手だが、見積もり通り
物流センタ―の業務委託の品質とは
業務委託の品質は請負と違うので、分かりにくい場合が多いです。
例えば、日々、処理して行く業務がミスなく出来ている事、決め
られた量をきちんと遂行出来ている事等は委託上の責任です。
では、業務委託の品質とは何かを考えてみましょう。
勿論、ミスが無い事、処理が丁寧である事は品質と直ぐに考えま
すが、私は、機械処理でなく人の作業で行う業務委託の場合は、
その人達、つまり我々の作業態度も含まれると思います。
代表例です
- 作業服のボタンをキチンとかけていない
- 作業中の私語が多い
- 遅刻が多い
- ポケットに手を入れながら作業している
- 朝礼を真面目に聞いていない
- 一旦停止線を守らない
- 荷扱いが乱暴
- フォークリフトが作業者の間を縫って走る
- 5Sが出来ない
かなり広い範囲が品質になります。
これらは、事故のリスク、能率ダウンのリスク、管理の放棄批判
のリスクを持っています。
くれぐれも、自分達がどうふるまっているかも管理して下さい。
次は、営業倉庫の注意点です。