月次決算の3種の神器

月次決算は分析の仕方で宝の山 になる

月次決算は、分析の仕方によっては実に利用価値が高くなり、
経営にとっては宝の山になります。
決算資料と言うより、寧ろ、活動報告書と受け止めた方が良いで
しょう。
企業活動していて、これを活用しない理由はありません。

コミットメントの予算達成状況が分かる、損益構造が分かる、
努力の成果が分かる、無用な経費発生が分かる等、得る事は
大きいです。
しかも、毎月、その情報を見る事が出来るので、この1か月の
活動結果がどうなったかと言う興味が尽きません。

どの会社でも毎月の決算管理をしていますが、活動の実態をより
数字で把握できる様に月次決算に工夫を加えて、経営実態が分か
る分析の仕方を説明して行きます。

工夫とは、予算実績差異分析商品別損益、適切な間接費配賦
3つを加えた月次決算とすることです。
私は、この3つを月次決算の3種の神器と呼んでいます。

月次決算に求められる3つの価値

我々が会社で使う決算資料に求められる価値が3つあります。

  1. 数値の信憑性
  2. 資料が理解し易い事
  3. 次に何をすべきかが分かる事
    の3つです。

信憑性は今の時代には殆ど問題にならないでしょうし、学術論文
と違い数字の増減だけの決算資料なので難解な資料とはなり難い
ですね。
そうすると、月次決算では次に何をすれば良いかが直ぐに分かる
事が、一番に求められる価値となるでしょう。

その為に、月次決算への工夫が必要なのです。

月次決算に求められる情報

「先ず、次に、更に」で月次決算に提示を求められる情報を書き
出してみました。

先ず

  • 全社決算がコミットメントである予算を達成したか未達かが、
    一目瞭然で分からねばなりません。
  • 又、自分の会社の毎月の決算で、どの様な構造で黒字か赤字
    かを必ず把握出来なければいけません。

次に

  • 各費目別に対予算で達成、未達をチェックしましょう。
    例えば、売上は予算を達成したが、営業利益は対予算でどうか。
    受払が低かったのか、固定費が膨らんでいたのか、その両方か等
    が直ぐに分かる様な月次決算の資料でしょうか。
  • 粗利が少ないので、工場原価を下げる努力している結果はどう
    なったのでしょうか。

結果が粗利や売上原価に分かる様に出ているでしょうか。

更に

  • メイン商品の最終的利益はどの程度か、商品別に、部門別に、
    又は、事業別に把握出来ているでしょうか。
  • 新開発商品の赤字はどの位なのかも、数字で表されている事
    も重要です。
  • 予算未達の場合、次に何をすれば良いかがわかるでしょうか。
    予算未達の要因と対策がわかるのが、月次決算の本当の目的で
    す。

決算は、翌月の中旬には出ますから、半月遅れで行動を起こせ
ます。いろいろな方法があり、みなさんの会社でもされていま
すが、活用の余地はまだまだありそうです。

では、次のページからシリーズで3つの分析の仕方=3種の神器
について順次説明して行きます。

又、決算会議での報告の仕方の具体例も説明しています。
参考にして下さい。

次は、月次決算/予算実績差異分析です。