成長する企業とは

成長する企業に共通なこと

成長する企業の職場とは、どの様な職場か。
そこでは、どの様な価値観でどの様な仕事の仕方をしているのか。
このページを含め、4回のシリーズで説明して行きます。

私がお取引させて戴いた成長する企業にはいろいろなタイプがあ
りました。
業種が違い、規模や社員数が違い、そして風土も違う中で、必ず
共通なことがあります。
共通なこととは、一つは社員の皆さんについて、もう一つは、職
場作りに対する文化でした。

成長する企業の社員に共通な特徴がある

  • 社員の皆さんは、元気が良く笑顔が魅力的です
  • 上司の指示に議論を持つが、ナントカ達成しようと頑張る
  • 失敗しても動ぜず、次への展開への切り替えが早い

「当たり前のことを当たり前にやる」文化がある

  • 当たり前の事が当たり前に出来る会社・・・ではありません
  • 当たり前の事が当たり前に出来る社員・・・でもありません

そんな会社や社員はこの世の中には存在しません。

  • 当たり前にやってみる・・・と言う意味です。
  • 当たり前の解決策から逃げない・・・と言う意味です。
  • 当たり前に難題に立ち向かう・・・と言う意味です。

これは、別の見方をすれば、「如何に多くの失敗をしているか」
にもなります。
従って、何が一番に求められるか?

成長する企業では、結果では無く、「当たり前にやる」ことが求
められ、高く評価されます。

ガルシアに手紙を届けられなくてよい

ガルシアへの手紙」のローワンの様に、何も聞かず黙って直ち
に行動を開始し、失敗することなくガルシアへ手紙を届けられれ
ば大成功 に決まっています。

ローワンに奇策があったのか?

勿論、ありませんでした。
そして、絶対にローワンには失敗は許されませんでした。
ローワンだから、出来たのでしょう。

しかし、ビジネスで常に失敗が許されないとすると、誰も
目標達成の施策や課題解決の方策を想像力を生かして考えたり、
果敢に試行はしなくなります。

更に、会社が成果主義を押し付け、責任を求める様になると、会社全体が委縮してしまうでしょう。
成長する企業が持っている文化と全く真逆になり、益々、違う方向へと進んで行きます。

成長する企業の代表格D社さんから学んだ事

私は、世界的に有名なD社さんと幸運にもお付き合いが出来、
物流改善のプロの部長さんからご指導を受けました。
この部長さんが、正に、当たり前にやらねばならない事を、当た
り前にやろうとする仕事ぶりでした。
私にはそう見えました。

一方で、仮説である施策に何回もトライして失敗も成功も経験さ
れているからでしょう、解決策は実に現実的で、ドンピシャの場
合は多かったです。
  
初めは、いろいろ改善のご指導を受け、早速、進めますと回答し
ますが、心の中では「そんなの分かってる、でも出来るとは到底
思えない」でした。
ところが、段々、お付き合いが長くなるにつれて、違和感がなく
なりました

勿論、全部が上手く行った筈はありません。
この部長さんが我々を長い目で見てくれて、正にOJTを兼ねてお
付き合いして戴いたと言うことでしょう。
成長する企業の代表格とつくづく思いました。

しかし、今から振り返ると、何てことはない問題を回避したり、
出来ないと決めつけたり、冷や汗モノです。

成長する企業の職場作り

成長する企業の職場では、当たり前のことを当たり前にやろうと
しています。
「当たり前のこと」とされる対象は、ビジネスではいくらでもあ
ります。
毎朝の挨拶から始まり、経営の高いレベルでの目標達成や、
課題解決、経営判断までの広い範囲が対象となります。
それらに対して、当たり前に出来ていない場合が多いでしょう。

大事なことは、当たり前に、やろうとする事です。

社員の皆さんが「当たり前にやる」職場は、どうして作ったら良
いでしょうか。
その際、重要な変更を会社はしなければなりません。
価値観の変更です。

社員を応援する会社の価値観

皆、失敗したらどうしよう、叱られる、責任を取らされると心配
します。
これへの対策は、会社全体の価値観が変わったことを示さねばな
りません。この「当たり前にやる」ことは、数年でナントカなる
ものではありません。
従って、会社は全社員に宣言をして、とにかく、上手く行かなく
ても始めようと呼びかけが必要です。

良く会社からコンサルティングへ1年でナントカして欲しいと言
われますが、先ず、無理です。

繰り返し、説明して下さい。

  • 当たり前の事が当たり前に出来る会社・・・ではありません
  • 当たり前の事が当たり前に出来る社員・・・でもありません
    そんな会社や社員はこの世の中には存在しません。

当たり前にやらなければならない施策を選ぶと言う意味です。

  • 当たり前にやってみる・・・と言う意味です。
  • 当たり前にやろうとする・・・と言う意味です。
  • 当たり前に難題に立ち向かう・・・と言う意味です。

一番評価される行為は、「当たり前のことを当たり前にやろう
とする」ことで、成功するか、失敗するかは長い期間で見るとニ
の次、三の次です。

経営トップの眼に見える応援とは

どんな場合も、トップ及び経営幹部があらゆる場面で率先して行
動する必要があります。「当たり前にやる」職場作りの為だけで
はありません。

しかし、特に、この「当たり前にやる」ことはヒエラルキーの上
がやらないと、全くの逆効果となります。

これは最も大きな障害になります。

社内表彰で、「直ぐやってみたら失敗しましたで賞」や「もうや
ってみましたで賞」等で社員を励まし応援しその行動を支持する
必要があります。

具体的には、課題解決、目標達成、月次決算等での行動で
スタートする事になるでしょう。
この辺は、我々コンサルティングの腕の見せ所でもあります。
是非、笑顔で「当たり前の事を当たり前にやる」成長する企業へ
変革して下さい。

成長する企業の行動力

成長する企業には、いろいろな能力がある様に見えます。
何故、その様な能力が備わったのかについて考えます。

成長する企業の優れた能力

成長する企業には優れた能力がある様に思えます。

  • マーケットを知る巧みな能力
  • 絶え間ないチャレンジと言えるコストダウン能力
  • 一定比率を保つ新商品開発能力
  • 大きな組織やシステムを管理する能力
    等々です。

それらを獲得しているのは豊富な経験でしょうか、考え
抜いた後のアイデアでしょうか、それとも大きな資金力で
得た情報でしょうか。

成長する企業は行動力がダントツ

どの様な優秀な能力も、元は行動した事によるものです。
他社よりも早く着手し、早く失敗に気づき、早く修正し、
そして目標を達成する等の結果でしょう。

そして、それは多くの社員の行動の結果です。

通信簿の1~4が大事

企業の行動力とは、一部の優れた社員や一部のグータラ社員
に左右されることはありません。

昔の通信簿で言うと、1~4の人達の行動の結果です。
それらの1~4の社員の人数は、5の人数の数倍です。
それらの社員の皆さんの行動力が、会社の行動力を左右
します。

これらの社員の皆さんが行動的になったら、その会社に
不可能はありません。

次のページからは、この成長する企業になる為に、職場で当たり
前の事を当たり前にやろうとする様になるには、どうするかにつ
いてシリーズでお話して行きます。

<成長する企業>シリーズ
成長する企業/顧客対応
成長する企業/社員の動機付け
成長する企業/社員の行動力向上です。