商品別損益の効用
- 商品別の最終利益を把握出来ます。
主力商品が必ずしも一番利益率が高いとは限りません。 - 商品間の資源配分のバランスを確保できます。
商品別の販直費や固定費配賦が適切か否かが分かります。又、
不要な経費発生が把握でき、経費発生を抑える事が出来ます。 - 適切な資源配分による先行投資が可能になります。
どの商品にどれだけ投資をすべきかが数値で明確に示す事がで
きる上に、 先行投資による損失も想定が可能になります。
商品別損益のやり方
- 会計費目名
- 会計費目は、全社の月次決算と同じ費目を使う。基本的に、
この全社月次決算を商品別に分けたものと考えるべきです。
- 会計費目は、全社の月次決算と同じ費目を使う。基本的に、
- 商品の区分の仕方
- 商品の区分方法は、いろいろありますが、下記が良いと思い
提案します。
- 商品の区分方法は、いろいろありますが、下記が良いと思い
- メイン商品とそれ以外の商品区分
- 機能別に商品を区分
- 機能が同じでも製造工程が違い、原価が大きく格差がある場
合の区分 - 商品の用途別の区分
- 既存品と開発品の区分
- 地域別区分
- 開発品と既存品区分
- 先行投資の赤字は「健全な赤字」と呼ぶべきものですが、
実際、幾らの赤字が発生しているかは把握しておく必要があ
ります。 - 改善しているのか?、累積で赤字額は? と言う事は知らな
くて良いとは決してなりません。
- 先行投資の赤字は「健全な赤字」と呼ぶべきものですが、
- 他の形態別への適用
- 商品別だけでなく、部門別、工場別、事業部別、事業別、
市場別、支社別等多くの適用例が考え付きます。
- 商品別だけでなく、部門別、工場別、事業部別、事業別、
是非とも、活用しましょう。
商品別損益の例
商品別月次決算は、2種類の決算資料からなります。
1つは、全社決算(A表)に商品別の内訳決算資料が付いている
資料です。
これは、推移表ではなく、当月単月の決算資料です。
もう1つは、商品別推移表(B表)、又は、部門別の推移表で
す。下記の例では、X品月次決算推移表となっています。
この2つを同時に見ながら、当月の月次決算の分析を行います。
商品別月次決算(A表) (百万円/月)
費目 | 前年度 | 当期予算 | 全社計 | X商品 | Y商品 | Z商品 |
売上数量 | 100 | 120 | 100 | 70 | 20 | 10 |
売上高 | 1000 | 1250 | 1050 | 740 | 210 | 100 |
売上原価 | -800 | -970 | -850 | -610 | -160 | -80 |
受払(%) | 200 | 280 | 200 | (18)130 | (24)50 | (20)20 |
販直費計 | -50 | -60 | -60 | -40 | -10 | -10 |
工場販直費 | -30 | -30 | -30 | -20 | -5 | -5 |
営業販直費 | -20 | -30 | -30 | -20 | -5 | -5 |
限界利益(%) | 150 | 220 | 140 | (12)90 | (19)40 | (10)10 |
固定費計(%) | -110 | -120 | -120 | -60 | -30 | -30 |
工場間接費 | -30 | -30 | -20 | -7 | -5 | -8 |
共通一般管 | -50 | -50 | -50 | -30 | -10 | -10 |
営業一般管 | -20 | -30 | -40 | -20 | -10 | -10 |
事業部一般管 | -10 | -10 | -10 | -3 | -5 | -2 |
営業利益(%) | 40 | 100 | 20 | 30 | 10 | -20 |
当期営業利益予算 | 100 | 50 | 30 | 20 |
X品月次決算推移表(B表) (百万円/月)
前年度 | 当期予算 | 4月 | 差異 | |
売上数量 | 70 | 80 | 70 | -10 |
売上高 | 740 | 850 | 740 | -110 |
売上原価 | -605 | -680 | -610 | -70 |
受払 (%) | (18)135 | (20)170 | (18)130 | -40 |
販直費計 | (5) -40 | (5) -40 | (5) -40 | 0 |
工場販直費 | -20 | -20 | -20 | 0 |
営業販直費 | -20 | -20 | -20 | 0 |
限界利益(%) | (13) 95 | (13)110 | (12) 90 | -20 |
固定費計(%) | (8 )-60 | (7) -60 | (8) -60 | 0 |
工場間接費 | -7 | -7 | -7 | 0 |
共通一般管 | -30 | -30 | -30 | 0 |
営業一般管 | -20 | -20 | -20 | 0 |
事業部一般管 | -3 | -3 | -3 | 0 |
営業利益(%) | (5) 35 | (6) 50 | (4) 30 | -20 |
商品別当月次決算の分析の手順~説明の手順~
商品別損益の説明手順は、予算実績差異分析で書きましたやり方
と同じです。
ポイントを書き出してみました。
参考にして、練習して下さい。
尚、A表は全社決算と商品別の視点で分析し、説明します。
A表は、「先ず」で説明で良いでしょう。
B表は「先ず、次に、更に」と詳しく要因と次の行動について説
明します。
又、報告の仕方については、ビジネススキルの報告は新聞の見
出し順を参考にして下さい。
- 先ず、全体を一口で説明
売上高と営業利益のみの予算達成について、その結果だけを
言う。
但し、その達成、未達度が大幅な場合のみそれを付け加える。 - 次に、概略を説明
概略は、受払、限界利益、固定費について、対予算達成度を
説明し、その結果の営業利益の対予算度にストーリーをつな
げる。 - 更に、未達だった費目について詳しく説明する
上記の「次に」で説明したストーリーを詳しく説明して行く。
営業利益が未達でも、費目によっては良い実績もあるので、良
い成果は必ず触れる事。
商品別損益を他の区分に適用させる
- やり方は、商品別と同じです。
売上、売上原価、受払、工場販直費、営業販直費は、手配毎
に管理出来ているでしょうから、それらは、部門別でも、事業
別でも問題無く把握出来ます。
- 問題は固定費です。
これらは手配毎に管理は出来ません。
そこで、ある基準を決めて区分別に配賦します。
それを間接費配賦とか、固定費配賦と呼びます。この間接費配
賦を適切に出来れば、区分に拘わらずかなり現実的な決算が出
来ます。
- 固定費のメインである人件費は、社長以下の全員の区分別の
人工比率を決めます。その他の間接経費については、直課出来
る経費を除いては、売上高比率、手配件数比率等で配賦比率を
決めて、計算します。
会計年度の一度決めれば良いと思います。
次の間接費配賦をご参照下さい。