企業理念浸透と組織マネジメント
ここでは、企業理念浸透を実現するに必要な環境について書いて
行きます。
企業理念の定義はいろいろありますが、私は次の様に考えていま
す。
会社組織が社会で事業を進める時、どの様に社会に相対し、どの
方向へ、どの様な価値観で、どの様な行動様式で進めるかについ
ての理念を明文化したもの。
従って、各社各様で、どの企業理念が良く、どの企業理念がイマ
イチと他人からは言えません。
コンサルティングの私の趣味を言わせて戴ければ、企業理念で社
員のプロ意識について述べている会社は極めて少ないのが残念で
す。
つまり、社員の何が現実的な目の前の実務を支えるべきかについ
て、その企業がすべき「べき論」については、触れられていませ
ん。
それらが、経営理念に書かれている場合が少ないからです。
プロ意識とは、工場の現場だけでなく、本社のどの間接部門でも
必要な意識、価値観と思っています。プライドと言い換えても良
いでしょう。
全部署がビジネスの現場だからです。
企業理念浸透を目指せる環境とは
企業理念浸透が目指せる社内に必要な環境は何でしょうか。
私は、次の2つが必要な環境と思います。
- 企業理念が身近なものになっている環境
- 多くの社員がプロ意識を感じて仕事をしている環境
の2つです。
1は当然です。年に一回、年初めだか年末の納会で聞かされても
何の意味も持たず、いつものことだとして終わってしまいます。
一方、2は現実として、実現の原動力は社員です。社員の皆さん
の仕事への意識(モチベーション)が高くないと不可能です。
活動の結果、多くのプロ意識社員が生まれているという意味です。
会社のトップが仕事に厳しく接し、社員に檄を飛ばして目標を達
成できれば多くの社員にプロ意識が生まれると言う単純な関係で
もありません。
では、この2つについて、説明して行きます。
企業理念浸透が身近なものになっている
企業理念浸透とは、各社員に身近になっていると言う意味です。
- 会社のトップから企業理念が全社員に説明されていて、概念が
日常活動までブレイクダウンされ、全社員に身近なものになって
いる。
- 中期計画、目標達成、事業戦略や予算作成時、会社の企業理念の概念のどの部分に対応するのかが認識されている。
論理に一貫性がある。
- 会議の中で折に触れて、それは目指す企業理念から遠い、近い
と言う発言が出る職場が身近にあり、企業理念浸透がある。
多くの社員が、プロ意識を感じて仕事をしている
- 多くの社員が自分はこの仕事ではだれにも負けないと自信を持
っている。
社員のモチベーションは高い。
但し、プロ意識を持っている社員とは、優秀で何でも解決する能
力を持っているスーパー社員と言う意味ではありません。
普通の社員が持つと言う意味です。
- 会社はプロ意識醸造の為、課題解決策に対し、社員が当たり前
のことに当たり前に取り組める様、見守り、励ましている。
又、社員を激励するセレモニー、表彰式を積極的に実施して「社
員が主役」を前に出している。
- 社員に多くの目立つ2つのタイプがいる。
やりたい様に進む社内起業家タイプ。
もう一つは、上司や先輩から引き継いだ技術と教えを、工場で、
営業で、技術で、管理部門で、これこそがお客様へのサービスと
信じて黙々と続ける社員。
この2つのタイプの社員の姿は、職場では良く見る光景となって
いる。
- これらの2つのタイプの社員は正反対とも見えるが、実はプロ
意識の発露の結果と考えている。
これら2つの環境を実現することで、企業理念浸透は進みます。
次は、成長する企業/成長する企業とはについてです。