ガルシアへの手紙

ガルシアへの手紙

 
米国の文筆家、教育家エルバート・グリーン・ハバード(1856~1915)が、1899年に書いた短い啓蒙的な小冊子。
 
アメリカとスペインがキューバを巡って争っていた1889年、当時の米大統領マッキンリーは、キューバ独立運動の司令官で反スペイン革命家のカリスト・ガルシア将軍の協力が必要だった。
 
大統領は彼に協力要請の手紙を書き、それを米軍人のアンドリュー・サマーズ・ローワン大尉(キューバとの連絡将校 1857~1943)に託した。
 
ローワンも誰もガルシアの居場所を知らなかったが、ローワンは黙って手紙を受け取り、4日後、単身ボートでキューバに上陸、3週間後、再び、別の海岸に姿を現した。
 
ローワンはガルシアから反乱軍協力者名、地図等を入手したとされている。
 
この20数ページの小冊子の中で、ハバードは、大統領から手紙を託されたローワンが「彼はどこにいるのですか?」と聞かなかった事を称え、若者もその様な「手紙を届ける人」になって欲しいと書いている。

ハバードの名言

  • 報酬以上の仕事をしないと言う人は、仕事ぶりに応じて報酬が
    上がって行く事を忘れている。
     
  • いつまでも大したことの無い人間でいたければ、簡単な方法が
    ある。
    自分の取るに足らない考え方と知識に満足していれば良い。
     
  • 人生における最大の失敗は、失敗を恐れ続ける事。
     

エルバート・グリーン・ハバード(1856~1915)

 Elbert Green Hubbard
 イリノイ州出身の文筆家、教育家。雑誌も発行した。
 人生や人の幸福に関する名言が有名。
 この「ガルシアへの手紙」は世界的なベストセラーになった。
 

アンドリュー・サマーズ・ローワン(1857~1943)

 Andrew Summers Rowan
 ウエストバージニア州出身の軍人。
 キューバ反乱軍のガルシア将軍との連絡将校として活動。
 「ガルシアへの手紙の届け方」を出版している。
 

ウイリアム・マッキンリー(1843~1901)

 William Mckinley
 オハイオ州出身で、オハイオ州知事を経て、1896年、第25代
 大統領に就任した。
 関税法案、金本位制、スペインとの戦争等、活発な手腕を見せ
 たが、銃弾を受け死亡した。

 この事件以降、シークレット・サービスには大統領警護が公務
 になった。
 

カリスト・ガルシア(1839~1898) Calixto Garcia

 キューバの反スペイン軍の司令官。1898年の米・スペイン戦争
 で活躍した。
 米国のマッキンリー大統領からの協力要請の手紙をローワンか
 ら受け取り、情報をローワンに手渡したとされている。